「言葉が伝わるとき」

「もっとあしたはできるようにするからもうおねがいゆるしてゆるしてください」

「お父さんに・・たたかれたりなぐられたりしています 先生なんとかなりませんか」

言葉は魂が宿るという。言葉は強い力をもつが、その力は言葉の背景にある人物や物語に支えられているため、単独で無力なこともあるのだということがあらわしている虐待事件である。胸が締め付けられる思いである。

小さな命が絶たれてしまった。あまりの痛ましさに憤りを感じ言葉を失う。語彙は少ないが本質的であるが故に、言葉の響きが心の響きとなり、こちら側の心を揺り動かす。

自分に正直で、誠実であることから自身の心が開かれこちら側に心の魂として伝わる。

金田一秀穂氏は「言葉は無償の贈与」だという。言葉は伝えるための道具と同時に、考えるため、考えたことを表現するための道具でもある。だから、こころが豊かであればあるほど、言葉は生きていく。そして、伝わる言葉は、人を精神的に豊かにし、生きていく力を与えてくれるものなのだから。小さなこの子たちの冥福を祈りつつ、思いやりのある平和な世の中になってほしいと切に願う昨今である。

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