ある本に「四苦八苦」の意味について書かれてあった。
四苦とは、自分ではどうしようもできない「生老病死」の苦しみで、生きることの苦しさ、老いる苦しさ、病の苦しさ、死ぬことの苦しさ、自分で望まなくても降りかかってくる苦しみをいう。
それに加えて、愛する人と別れないといけない苦しみ、嫌な人と出会い一緒にいなければならない苦しみ、求めることが得られない苦しみ、肉体と精神が思うままにならない苦しみの四苦を合わせて八苦を指すという。
つまり、この世は様々な苦に満ち、それに耐え忍ばなくてはならない世界だと言うことなのだ。
ついつい悩み苦しんでいる時というのはなかなか周りが見えなくなっている。
逆を言えば、見えないから苦しむのであろう。
川の流れに沿って船で渡っているときに、後ろからはワニが、前には滝が・・・。
前にも後ろにも行けない、しかし川の流れは止まらない・・・いったいどうしたら・・・・この状態が苦とするならば、川を渡らなければと川にしか目がいかない状態であろう。
ちょっと見渡せば岸にあがるという選択肢があることに気づく。
つまり、落ち着いて考えれば、今の状況から違う選択肢が見つかるということである。
「なぜ自分だけが・・」と思いがちになった時「人間ならみんなが持つ苦しみなのだ」と少しゆったりと思い直して、乗り越える知恵を見つけたいものだ。
命を運ぶ運命、その運転手は自分なのだから。